強制恋愛
第16章 *16*あなたの隣に
宮川くんはわたしの腕を掴んだまま人目も気にせず歩いていく
委員会室を通り過ぎてもまだ歩き続ける
この道…
宮川くんはきっと屋上にわたしを連れて行こうとしているのだろう
屋上は……あんまり行きたくない場所だ
屋上には櫻木先輩との甘く苦しい思い出がつまっているから……
目の前にある重い扉が開かれると、そこには真っ青な空が広がっていた
宮川くんはやっと腕を離してくれた
手首には宮川くんに掴まれていたあとがくっきりとついている
「…宮川くん…何考えて…きゃっ!」
宮川くんは屋上のフェンスに両手をかけ、わたしの逃げ道を無くした
背伸びをして極限までフェンスにもたれかかっても宮川くんはどんどん距離をつめてくる
『……お前さ…………櫻木先輩と別れた……?』