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近くて遠い

第13章 渦巻く気持ちと交わり

初めて見た人の情事…。


有川様の顔と

メイドの喘ぎ声が頭から離れない…──


ドキドキドキドキ……


心臓がけたたましく鳴るのは、走っているからなのか…それとも…?



偶然とは言え、覗き見てしまったようなその状況に
背徳感と絶望を感じた。




「うっ……う…」


気付いたら自分の部屋で私は涙を流していた。


目に焼き付いた情事の光景が鋭い刃となって

胸の中で暴れているような、そんな気さえしていた。




昨日、無理矢理に犯されそうになったときのことを思い出した


なんだ、誰でもいいんじゃない…っ




よく考えれば、いや、よく考えなくても
そんなことは明らかなのに、今まで経験したことのないほど胸が痛んだ。




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