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近くて遠い

第18章 時計が狂う

ゴーーン──…


どこかで


遅れた時計が
自分の狂いを示すかのように鳴る…


カナメさんは

私に視線を合わさぬまま、あぁ、と口を開く。


「やっぱり…
こんな出会いになるとは…本当に申し訳ない…。
初めまして、
私は有川社長の秘書を務めている…いや、務めていた…」




───関根 要(せきね かなめ)と申します



確かに彼は

そう言った。

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