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近くて遠い

第35章 現在と過去


身体を丸めながら、しゃがみこんで泣きじゃくる真希の姿を




要は茫然と眺めていた。




出会った時は


互いに惹かれ合っていた二人。





そんな二人の姿が西日に照らされて、



影が長く伸びる。



真希はしきりに


ごめんなさい、ごめんなさい、と言いながら泣いていた。






あの雨の降った日に




全てが狂ったのだ──




事故に遭わなければ……



そんな考えが要の頭によぎるが、それはすぐに否定される。





なぜなら、




あの日外に出なければ




真希と要は




出会うことすら



なかったのだから────


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