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近くて遠い

第40章 温かな場所


「真希っ………」




そして光瑠さんの低い声が



頭上から降ってきて




身体に染み渡る。





光瑠さんは



ゆっくりと身体を離して




私を




優しく見つめていた。





もう何度見ても



吸い込まれそうな



綺麗な瞳が



目の前にいる私だけを捉えている。



光瑠さんは


私の頬に手を添えると、


微笑んだまま



すぅ──と綺麗な涙を流した。




そして


ゆっくりと口を開いた。








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