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近くて遠い

第42章 愛すこと、愛されること

「真希…」


光瑠さんはそう呟きながら、光瑠さんの頬に触れていた私の手首を掴んだ。



視線が

唇に注がれる。



あ…



まただ


吸い込まれる……




「んんっ……」




ゆっくりと近付いた唇が重なった。



気持ちが高まってきて、


身体が熱い…



光瑠さんは私の頬に両手を添えながら、


次第に激しく舌を絡めていった。




「…は……ぁ……」



久しぶりの感覚に


快感よりも感動で涙が出そうだった。



もうこうやって、

唇を重ねることはないだろうと


そう思っていたから余計に──



何度も顔を交差させ長いキスをする。



次第に上がる呼吸に



洩れる吐息……



身体に血が巡る…




「……んはぁ…っ…はぁっ」



突然唇を離されて

不思議に思っていると、

光瑠さんは私の肩を掴みながら、俯いて荒い息を整えていた。



「真希っ…悪いっ…はぁ…これ以上はっ…」



「え…?」



言っている意味が分からずに問い掛けると、光瑠さんは少し艶いた目で私を見つめた。



「今日は…っ……
もう…
疲れただろっ……」



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