テキストサイズ

近くて遠い

第42章 愛すこと、愛されること

かわいいことばかり言う真希に光瑠は少し困った。


そしてすぐに微笑むと、

真希の小さな手を掴んで自分の胸に当てた。



そんな光瑠の仕草に真希は目を見開いて、掴まれた自分の手を見た。



「……それはお前だけじゃない…」




異常なほど速まっている光瑠の心拍音を真希は手のひらで感じた。



「俺も……


お前が愛しすぎて苦しい…」



甘く吐かれた光瑠の言葉…

真希は自分の心拍数が光瑠と重なるのを感じた。



そして





再び熱い唇を重ねた。



それは
二人にとって
初めての行為ではない。



なのに、

愛してると…


愛されていると知った今、

キス1つでもここまで違うのかと二人は思いながら、舌を絡めた。




光瑠は真希の後頭部を支えながら、

ゆっくりと真希の身体をベッドの上に倒して覆い被さった。


つい
荒々しくしそうになる自分に度々ブレーキをかけて、

ひたすら優しく真希と舌を絡める。


「……はぁ…ん……」



真希の甘い吐息が

光瑠を刺激する。



ずっとこうしたかった──


酒にまみれて


意識を混濁させながらも


考えることは


やはり真希のことばかりだった。


こうしたくて…



ずっと…


ずっと…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ