無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

要さんは相変わらず涼しい顔をしている。



「いいんですか？
会社の『要』を失って…」


「うっ、うるさいっ！！」


余裕無さげな光瑠さんに要さんが挑発を続けて、笑みを洩らした。



「あぁ…

それとも

もしかして…

社長は僕に勝つ自信が


おありにならないとか…？」


首を傾げて要さんがそう言った。



やっぱり…

要さんは、

たまに少年になる。




「っ！！！！！」




「うぐっ！ひっ、光瑠さんっ！ぐる゛じい゛っ！」



グッと腕の力を強められて私が思わず声を上げると、
光瑠さんは、うるさいっ！と私を怒鳴った。



要さんはそんな光瑠さんを見て勝ち誇ったように大きな口を開けて笑った。




「そんな力任せでいたら、いつか嫌われてしまいますよ？

まぁその方が僕には都合がいいですが…」




挑発をやめない要さんを光瑠さんは顔を真っ赤にして睨み付けたあと、突然私を見た。



「わっ！」



突然怖い顔を向けられ身体が固まる。



「もういいっ！！

真希っ！行くぞ！」



「いっ…！
ちょっとっ…」



強引に腕を掴まれて引っ張られる。



「お出掛けですか？
お気を付けて…

じゃあ

真希さん、"また"」



要さんは"また"を強調して言いながら、優しく微笑んで手を振っていた。