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近くて遠い

第45章 近くて…

「ふぅ…」



たくさんの種を植え終えると、光瑠さんが息をついて、土のついた手を払った。


「あとは水をやって、咲くのを待つだけですね…」



「あぁ」



笑った光瑠さんに私も微笑みを返した。



そして
私は手を拡げると、

すぅっと息を吸った。



冷たかった空気が少しだけ暖かくなって、

また違った自然の香りを含んでいる。






お母さん……





空を見ながら、私は心の中で呟いた。






私、




すっごく幸せだよ…



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