
: 愛唄 、 哀唄 、 藍唄 。
第1章 はじまり
香山『 僕は 、 華哀事務所の 香山 、
と云う者です 。』
然う云い乍 がさがさ と
財布から名刺を出して私に渡そうとする彼 。
大してかっこいいって訳じゃない 。
何か 、 中肉中背 って感じ 。
額から汗が垂れてるし 、
生理的に苦手なタイプかも
とか思ってたら
香山 『 あはは ッ 、 大丈夫だよ 。
そういう卑しい事務所じゃないからさ 、
あれだよ 、 芸能人とか居る事務所 』
淡々と汗をハンカチで拭き乍
笑って話す香山さん 。
理央 『 あの 、 スカウト ですか .. ? 』
今更こんな事聞くのも可笑しい 。
そんな事判ってるけど
やっぱ信じられなくて 。
そんな私を見て
目を丸くした香山さん 。
けど直ぐに 叉 、
はは ッ て声出して笑った 。
香山 『 然う然う 。 スカウトだよ 。
でもちょっと変わってるかな 、
君がもし入って呉れるなら
次の日には記者会見開く予定 。
理央ちゃん 、 だったかな ?
入る子と一緒にデビューする相手も決まってる 。
要するに次入る子はユニットデビューする子 。
其れは決定事項なんだ 。
その入る子に僕は君を選んだ 』
ユニットデビュー 、 とか
君を選んだ 、 とか
かっこいい言葉云われちゃえば
きっと 皆 、 思うはず
理央 『 ... やってみたいです 』
と 。
