
私の掏明くん
第24章 終電間際
東矢「乗り過ごしちゃったね」
千尋「私はいいけど…掏明の方は大丈夫
なの?奥さん…」
東矢「ん~大丈夫じゃないかな…」
千尋「なら早く帰らなきゃ」
東矢「帰りたくない」
千尋「ッ…」
千尋は別によかった
次の駅で降りてタクシーで帰れば
だけど東矢は帰らないワケにはいかない
家族がいる
だからどんな遅い時間になっても
朝帰りだけは…
東矢「千尋と一緒にいたい」
千尋「…」
ダメだってわかってる
自分との事を思い出したからといって
問題が解決したワケではない
思い出したから余計に
余計に
苦しくなる
東矢「千尋は?」
千尋「…」
東矢「千尋はどうしたい?」
千尋「そんなの…決まってるよ…」
いけないとわかってる
だけど気持ちを止める事は出来ず
強く抱き合い
惹かれ合うように
キスをした
久しぶりのキスは初めてした時のように
緊張しドキドキしていた
