テキストサイズ

禁断の果実

第2章 兄妹


脱衣所まで来ると中からドライヤーの音が聞こえる


公也、上がったんだ…



コンコン


ガラッ



「あ、千尋?どうした?風呂入る?」



あたしは黙って頷くと脱衣所に入った

脱衣所はすごい熱気がこもってて暑い



「…千尋、なにかあった?」



「……ぇ?」



「なんか…元気ないから…」



俯くと、公也が優しく頭を撫でてくれる



「俺でよければ、話して?」


公也…


本当に優しいなぁ…


たくにぃとは大違い



「…ううん、なんでもない!

たくさん洗い物して疲れちゃったのかも」



公也は黙ってたけど、あとからリビングに行って楓を見たら色々わかることなのに…



「…そっか。うん、お皿いっぱい洗ってくれてありがと。

お風呂に浸かって疲れ癒しておいで」



「うん…ありがと、公也」


にこっとすると、公也も笑顔で返してくれる




じゃ、といって公也は脱衣所から出ていった



将来、公也のお嫁さんになる人は幸せだろうな…


ハッとして、あたしには楓がいるじゃない!

さ、早くお風呂お風呂!









しばらくして、リビングから公也のビックリした声が聞こえたのは言うまでもなかった…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ