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旦那様と甘い日々

第2章 chapter 2




昨日の夕御飯を温め直しているとあの甘い情事をふと思い出して勝手に体が熱をあげる。


あのまま疲れきって寝てしまった私に対して彼はお風呂やご飯を食べて、更には私の着替えまでもさせてぐっすりと眠りに入ったらしい。


隣で眠っていた彼を横目にシャワーに向かった私だが鏡に映った自分の体に驚愕した。


全身に付けられた赤い痕。胸から首、太股の裏にまで確認できた。いつのまにつけたのだろうか。


まるで離れても彼のものという証みたいでなんだが恥ずかしい、ということを思い出し、ピッとコンロの火を消した。


そろそろ起こしにいこうかな。私昨日の夕ご飯食べてないしお腹減っちゃった。


付けていたエプロンを壁に掛けると彼が寝ているはずの二人の寝室へと向かう。



ちなみに、ここはもともと彼が住んでいた高級マンションで部屋も広い。流石大手会社に勤めるエリート。私も初めて来たときは目を丸くした。



寝室の扉を開けるとダブルの大きなベッドに横たわる彼の姿。知らないうちにシーツまでも替えられていて昨日の私たちの乱れた形跡はない。


だけど、昨日ここで散々彼に鳴かされたことを思い出すとやはり恥ずかしい。


「(激しかったなぁ……)」


あれの唇や舌、指、腰の動き。思い出しちゃいけないのにそう思うほど記憶に蘇ってくる。


ぶんぶんと考えを無くすように頭を振るとベッドの上によじ登り彼の肩を叩いた。


「右京さん、起きてください」


顔を覗き込めばそこには端正な顔が広がる。睫毛長い、色白い。女の私でも羨ましいと思ってしまうほどの美貌の持ち主だ。


一流大学出身でこんな高級マンションに住んでいて、そしてこんなに男前な人が私の旦那様とは……世の中も何が起こるか分からないものだ。



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