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イケない同棲生活

第4章 4――偽装生活



朝。




どこからか漂ってくる珈琲豆の良い香りに、ふと目が覚めた。





窓から差し込んでくる柔らかい陽射しにまだ眠気を拭いきれないまま、何度か瞬きを繰り返す。




……どこだ?此処。





目が覚めて視界に入った見慣れない天井に、一瞬戸惑ったけれど。




「うわっ?!」




布団から立ち上がろうとした瞬間に体が崩れ落ち、なんでなんで?!と混乱する…が。



乱れた布団と、何も纏わぬ自分の体を見て、昨夜のことがふっと思い出された。




そ、そうだ…私昨日…っ!!





「お・そ・い。そんなんで嫁なんかできんのかよ」




「うわあああ!?」




と。唐突に真後ろから声が聞こえ、絶叫。




「朝から喚いてんじゃねぇよ。犯すぞこら」



「うううう、うるひゃい!!いいからでてってよ!!」




わわわ、私裸なんですけど!と、慌てて布団を体に巻きつけ、ギンッと後ろにいるであろう男を睨めば。




「てめぇの体は昨日全部見ただろーが。今更恥ずかしがってんじゃねーよ」




壁によりかかり、煙管を片手に呆れた表情を浮かべる男の姿が、やっぱりあった。



「暗いのと明るいのとでは違うの!!それより、立てないんだけど!!!」





だから助けろ!!と言葉を続ければ、眉間に皺を寄せていたはずの表情が一点。




「何、昨日のよすぎて足ガクガクなわけ?」




男がゆるりとした動作で私の元にくると目線を同じにさせるようにしゃがみこみ、口端をあげて意地悪い笑みを浮かべた。





……あれ。ワタシヤバイコトイッタ???




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