霧と繭
第1章 ―
その夜、またも知らないアドレスからメールが届いた
『Shun.Hiromi.HAPPY@……』
それも浩美からのメールで、今度は私と俊二に一斉送信をしていた。件名と本文はなく、画像だけが添付されていた。私は見ようかどうか迷った末、恐る恐る画像を開くことにした。そこには私と俊二が映っていた。その日の午後に俊二に浩美のからのメールについて相談したレストランでの写真だった。私が浩美の行動に怯えてみせて、俊二が優しく手を握ってくれた時の写真だった。思い返すだけでも恐ろしい、なんと浩美もあのカフェにいたのだ。どこか他の席に座って、私と俊二のことをじっと監視していたのだ。私は少しの間放心したように画像を眺め、それから浩美がストーカー行為をしているのではないかと疑った。はたしてつけられているのは俊二だろうか、それとも私だろうか。どちらにせよ、浩美の行為に怒りよりも恐怖を感じた。
私があれこれと考えていると、俊二からメールが届いた。メールアドレスの変更を知らせる内容だった。彼も浩美からのメールを見て、いよいよその異常性に恐怖を覚えたのだろう。私も俊二にならって、メールアドレスの変更をした。こちら側がアドレスを変えてしまえば、もう浩美からメールは届いてこないはずだった。それから更に、俊二から個人的な内容のメールがきた。彼は自分が浩美にストーカーをされているのではないかと、恐怖をあらわにしていた。メールの文章からも彼の焦りが手にとるようにわかった。彼は家のカギを変えるとも言った。私もそれがいいと思って、賛成した。続いて私は警察に相談しようと提案したが、彼はまだ待ってくれとそれを拒否した。やはり前に付き合っていた彼女のことで警察の手を借りるというのは、どうもはばかられるようだった。代わりに彼はまた、昨日のファミレスで会おうと提案した。浩美のことを突き止めるつもりだったのであろう。私は彼の意見に従うことにした。
『Shun.Hiromi.HAPPY@……』
それも浩美からのメールで、今度は私と俊二に一斉送信をしていた。件名と本文はなく、画像だけが添付されていた。私は見ようかどうか迷った末、恐る恐る画像を開くことにした。そこには私と俊二が映っていた。その日の午後に俊二に浩美のからのメールについて相談したレストランでの写真だった。私が浩美の行動に怯えてみせて、俊二が優しく手を握ってくれた時の写真だった。思い返すだけでも恐ろしい、なんと浩美もあのカフェにいたのだ。どこか他の席に座って、私と俊二のことをじっと監視していたのだ。私は少しの間放心したように画像を眺め、それから浩美がストーカー行為をしているのではないかと疑った。はたしてつけられているのは俊二だろうか、それとも私だろうか。どちらにせよ、浩美の行為に怒りよりも恐怖を感じた。
私があれこれと考えていると、俊二からメールが届いた。メールアドレスの変更を知らせる内容だった。彼も浩美からのメールを見て、いよいよその異常性に恐怖を覚えたのだろう。私も俊二にならって、メールアドレスの変更をした。こちら側がアドレスを変えてしまえば、もう浩美からメールは届いてこないはずだった。それから更に、俊二から個人的な内容のメールがきた。彼は自分が浩美にストーカーをされているのではないかと、恐怖をあらわにしていた。メールの文章からも彼の焦りが手にとるようにわかった。彼は家のカギを変えるとも言った。私もそれがいいと思って、賛成した。続いて私は警察に相談しようと提案したが、彼はまだ待ってくれとそれを拒否した。やはり前に付き合っていた彼女のことで警察の手を借りるというのは、どうもはばかられるようだった。代わりに彼はまた、昨日のファミレスで会おうと提案した。浩美のことを突き止めるつもりだったのであろう。私は彼の意見に従うことにした。