
悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
朝早く、扉をノックする音が部屋中に響いた。
「んー…」
もう朝なんだ…
琉希さんが朝食持って 来てくれたのかな…?
ゆきは、まだ眠たそうにしながらベッドから降り扉に近づいて行った。
「琉希さん?」
「ゆき…」
扉越しから聞こえてきた魁の声に、ゆきは眠気が吹っ飛んでしまう程ドキッとした。
「あ…魁…」
どうしよう…
ドア…開けた方がいい かな…
「昨日は感情的になって すまなかった
まだ俺が怖いか…?」
「今はもう…大丈夫」
「そうか…
…昼、一階の広間に来 て欲しい
お前に、どうしても伝 えたい事がある…」
「えっ……わかった…」
魁の声が聞こえなくなったが、ゆきはしばらくその場から離れられずにいた。
伝えたい事ってなんだ ろう…
もしかして…別れ話っ ?
やっぱり元の世界へ戻 れとか…
はぁ…頭が痛い…
最悪な事しか思いつかず、嫌なドキドキ感で苦しくなった胸を抑えた。
