案内屋 〜アンナイヤ〜
第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章
凛丸は倒れる男に駆け寄った
「大丈夫ですか!?どうしてここに…!?」
「おめぇみたいな小僧が…一人じゃあ危ねえと思ってな…へへ…心配すんな…俺は大丈夫…だ。」
こんな状況でも他人に心配される自分
どうしようもなく情けない。
「なぁ…小僧…。お初を…頼む。」
「何言ってるんですか!?戻るんですよ!一緒に!お初ちゃんのもとへ!!」
男の腹部から血が止まらない
顔が青ざめていく
「クソ!!どうしたら…!!」
凛丸は床に拳を叩きつける
古びた木製の床にヒビが入った