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案内屋 〜アンナイヤ〜

第6章 アライ ザ ほーむ 其ノ一

その日は珍しく暇だった
何も無く、何事も起きないただの平凡な火曜日だ

いや、そんなこと言うのにはまだ早いか
ついこの前まで僕は何もしていない引き籠りニート、いわゆる "引きニート" だったのだから。

だが、感覚的に珍しく感じるのだ
まるで、最近は仕事が忙しくて暇もクソも無いですよ みたいな言い方をしたが、実際には二日間しか働いていないのだ。
しかし仕事の異常性故か、この火曜日という、休みにしては余りにも微妙な日常が非常に珍しく感じるのだ

給料も貰った。
日給二日分で4万円と、初任の依頼成功に大きく貢献したとして、クライアントの依頼費35万円の中から2万円

計6万円だ。

訳の分からない仕事をしながら親元で暮らす僕にとっては充分過ぎるほどの報酬だった。

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