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案内屋 〜アンナイヤ〜

第6章 アライ ザ ほーむ 其ノ一

凛丸は後悔していた
自転車を走らせながら、ただただ「あんなこと言わなきゃ良かった。」と

実際、白い家はかなり危ない場所なのだ。
大概の心霊廃墟では、後から何か霊障に見舞われるというのが当たり前なのだが、白い家は現場にてリアルタイムで死亡に繋がるほどの霊障が起きるのだ。

正直、話したのは自分だが行きたく無かった。

「でも、案内屋が仕事として行くほどかな…。そもそも案内屋って別にゴーストバスターじゃ無いんだから。」

確かによく考えればそうだった。
案内屋の仕事は、時空に関わる次元異常を解決すること。
白い家に行く理由など無いのだ。

「しかしまぁ、渋谷さんが言い出したなら行くしかないか。」

凛丸はもう諦めていた。

そうこうしている内に自転車は埼玉の中腹まで来ていた。
池袋を出て数時間、体力が磨り減ってきた。

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