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案内屋 〜アンナイヤ〜

第8章 アライ ザ ほーむ 其ノ最終章

地べたに座り、俯く凛丸が答える。

「その説はあくまで憶測の域を出ていません。恐らく真実は、"妻と子供を縁を切った母親に奪われ、耐えられなくなった新井家の主人が発狂。唯一残った娘もろとも、惨殺という形で心中。" でしょう…。」


納得のいく説明だった。
信じたくないが、しかしそれが事実だ。

少年の霊が残したもの全てがそれを裏付けている。


「おい…。ってことは白い家に居た新井家の主人の母親ってのは…」

「恐らく、隠し切れなくなって蒸発。ってところね。」


酷い。
あまりにも酷過ぎる話だ。

渋谷は白い家を見つめた

「そうなるとここで人が死んでることも誰も知らない。新井家の奥さんの遺体も、もしかしたらあの信太郎って子供の遺体も、まだここにあるってのか。」


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