
やっと、やっと…
第11章 人の夢は儚くて
―――――・・・
今日のことを思い出し
吐き気に襲われた
罪悪感と嫌悪感がより強くなって襲ってきた
あんなことしたんだから
今更智己に助けてなんていえない
それに、
助けなんて求めたら
巻き込んでしまう
智己には
なるべく顔を合わせないでいよう
“別れよう”
そう、一言だけ告げて
それ以上は関わるのをやめよう
そう考えたら
今まで流れなかった涙が
溢れるように流れた
「・・・っう」
「・・っとも、き
ともき・・・」
何度もベッドの中で名前を呼んだ
もうこの先に光が見えなくなってしまった
また、
自分の気持ちを押し殺して
過ごしていかなければならなくなった
