
やっと、やっと…
第12章 凍える心
「――っんぐ!!」
勢いよく口の中に差し込まれたそれが喉の奥に当たって苦しい
「ん゛ん!」
圭介は私の頭を押さえ込み
頭を上下に揺らした
時折私が上目で圭介を見ると
苦しみ涙を浮かべる私を愛おしげに見つめ微笑む
この人は私を愛していながら
苦しめているのを楽しんでいるように見えた
と言うより
苦しむ私さえも愛しているようだった
「気持ちいいよ、唯…」
息を荒げながら圭介は言う
「あぁ唯…
もう我慢できない……」
圭介はそういうと手を止め
私を解放した
私は圭介の手の力が緩むと
すぐに頭をあげ口の中からそれを抜いた
喉の奥から異物が消え
咳込み唾液を吐き出した
髪は乱れ体の力は抜けた
頬には涙が伝う
