
やっと、やっと…
第15章 8年後…
心臓が一気に高鳴った
見間違いじゃないかと、何回も見直した
私は智己に連絡先は教えていなかったから
遥の言う珍しい人とは、おそらく
智己のことだった
震える手で、メッセージを開く
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唯、久しぶり
江口さんから唯の連絡先を聞きました
いきなりでごめん
この間、タイミングが悪かったけど
偶然でも会えて嬉しかった
ゆっくり話がしたいから、ご飯でもいかない?
もちろんおごります。
急だけど、今週の土曜の夜なんてどう?
返事待ってます
柴田智己
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読んでいる間、息をするのも忘れるくらいだった
”会えて嬉しかった”
そう思ってもらえたことに
胸がぎゅって、締め付けられる
私も会えて嬉しかったこと、
連絡をくれたことへの感謝、
そして
”土曜日の夜、OKです”と返事の文章を作成した
何度も文面を読み返し、
送信ボタンを押した
