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やっと、やっと…

第4章 灰色の心



今までとなんの変わりもない毎日


ただ、
圭介とはあの日以来
あの日以前ほどお互いの距離を縮めることはなかった


なんとなく気まずいなあ


一緒にいてもそんな事を思ってしまう


私はもちろん圭介への気持ちは
変わっていなかった

でもなんだか
もやもやした蟠り(わだかまり)のようなものが消えない


(誰かに相談してみるべきかな?)


私はそう思い
仲の良い友達の『江口遥』に
相談した


遥は結構な辛口で毒舌


だけど私はそんなサバサバして元気な遥が大好きだった



「――というわけで、最近気まずくなっちゃったんだけど・・・」


学校からの帰り道で話してみる


「そういうことねえ・・

唯にはわるいんだけどさ、」


遥が考え込むようにして言う


「私正直あの人嫌いなんだよねえ・・」


さすが遥
ズバッと言う


「嫌いと言うか怖いと言うか、
なんか何考えてるかわかんないんだよねぇ・・・」


あの遥でも
怖いなんて人が居るのか思う


「ごめんね変な事言って
でもなんか唯の話聞いてたら
私の勘も確かなんじゃないかなあ
と思っちゃって・・・」


(怖い・・かぁ)


確かにあの時は怖かった

私の事を大事に思うあまりの行動だとは思ってもやっぱり怖い


「あと、最近祐香と仲良いらしくて」


(え?)


「私はてっきりそれで仲があんまり良くなくなったんだと思ってたよ」


(祐香と??)


「あっごめん余計なことまで!」


慌てて口元を隠す遥


「いやいいの
話せただけでよかった!」



なんだか本当に
最近の圭介がよくわからない


私が遠ざかってるんだろうけど
完全に気持ちがすれ違っていた



「また何かあったら話してよ」


「ありがと遥」


そう言って私達はそれぞの家へと
道を別れた


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