
やっと、やっと…
第5章 戻った幸せ
今日から久しぶりに学校
体調もよくなったし
気持ちも楽になった
いつもは憂鬱な学校への通学路も
今日は足取りが軽く感じる
(久しぶりに、また圭介に会える…!)
今までのもやもやは晴れて
気持ちは明るかった
学校に着いて教室に向かう
「唯!」
優しい低い声
私の一番聞きたかった声
ゆっくりと後ろを振り返る
「圭介…」
圭介だった
久しぶりに見る彼の姿
相変わらずの優しい笑顔
久しぶりで緊張して
かける言葉が見つからない
圭介も同じなんだろうか
短い間、お互いに無言の時間
なんだか照れくさい
「なんか…緊張するね」
先に沈黙を破ったのは圭介だった
「唯体調はもういいの?」
「うん、もう元気になったよ」
なんだかぎこちない会話
でもそれが幸せだった
