
やっと、やっと…
第9章 暗い闇の中
圭介は私にかけられたものを
ティッシュで拭く
そのまま私の頬を撫でキスをした
・・・・・
あれから服を着替え
時間も6時を回っていたから
圭介は家に帰って行った
その時の記憶はほとんどない
あの後何を話したかも
ほとんど覚えていない
頭の中も心の中も空っぽだった
自分から求めてしまったことが
その行為を認めてしまったようで
苦しかった
その気持ちでいっぱいで
他のことなんて考えられなかった
私は圭介がいなくなるとすぐに
部屋の窓を開け換気をして
その間にシャワーを浴びた
部屋に籠った空気さえも嫌だったから
シャワーで体を洗い流した
鏡で新しくつけられた跡をみると
涙が溢れてきた
「・・・っ気持ち、悪い・・・!」
涙が止まらない
何度もシャワーで流しても
涙も傷も、消えてくれなかった
気持ち悪いと思えば思うほど
吐き気は増していき
私は胃の中から突き上げるような感覚に襲われ
気づけば全て吐き出してしまっていた
苦しいはずなのに
すごく、すっきりした
口の中の不快感を拭うために
何度も歯を磨いて清潔にした
