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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第3章 春の夢 参

 〝許して下さい〟と、お須万は消え入るような声で言って、その場に両手をついた。
「どのようないきさつがあるにせよ、私がしたことは、人間として絶対にしてはならないことです。良人や子を失ったからといって、その哀しみを理由にできるものではありません。どうか、どうかお許し下さい」
 そう言って土下座してひたすら詫びる女を、清七は哀しい想いで見つめた。

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