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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第10章 花いかだ 其の参

     《参》

 更にそれから三日を経たある日のことである。
 弥助は辺りが淡い宵闇に包まれる頃、徳平店を出た。既に美空と二人で夕飯は済ませている。今夜は〝花のれん〟を訪ね、近々、美空と逢って欲しいとおれんに頼むつもりであった。そのことについては既に、美空当人にも気持ちを確認している。

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