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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第13章 山茶花~さざんか~ 其の参  

 二人で見るはずだった海にも行こう。お前の話してくれた浜辺に群れ咲くという浜木綿の花も眺めてこよう。
 これから先も、私とお前はいつも一緒だ。
 なあ、千汐。だから、それまで待っていてくれるか? 
 曽太郞は真平に手を差し出した。
「おいで」
 差し出された大きな手を、小さな手がひしと握りしめる。

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