テキストサイズ

花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第13章 山茶花~さざんか~ 其の参  

 父と子は小さな橋を渡り、やがて本格的な降りとなった雪の中へと吸い込まれるように消えて、見えなくなった。
 橋のたもとに咲く山茶花の花が雪混じりの風に、かすかに身を震わせた。

  
 江戸の町に流れる名も知られぬ小さな川、その川にかかる橋を、人は和泉橋を呼ぶ。
(第四話 山茶花~さざんか~ 終わり)

 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ