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秘密の約束

第5章 公演

(なんだ…ちゃっかり来ちゃってんじゃん…。)

先生はきっと、菜穂が出てるからきたのかな…

私がアナウンスやってたって、音響やってたって、先生は興味ないのかもしれない。

それよりも、あの舞台の真ん中で綺麗に着飾って可愛く踊っている菜穂の方がよっぽどいいに決まってる。

所詮、私は眼中になんてないのだろう。

いきなり自分の中にネガティブな感情が渦を巻いた。

「志穂!アナウンス!」

調整室の中にいる人に呼ばれて、急いで中へと戻り台本通りにマイクを通して読んだ。

(先生、これが私の声だって分かるかな?)

読んでる間もそんなことを考えていた。

(あぁ…やっぱり私…)

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