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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

“琉愛ちゃんが悪い”


「え?」


な、何であたし?!

意味が分からないんだけれど。

そもそも、こいつの事知ったのは昨日だし。

それまで接点も何もないわけだし。

なのに、



「何であたしが悪いの?」



全くもって意味が分からない。

マジで意味が分からない。


何?こいつ‥‥


ちょっと、嫌、かなりオカシイヤツ?


橘の言葉の意味がさっぱり分からなくて、思わずあたしの顔も怪訝な表情へと変化。


その変化を見逃さなかった橘はクスと笑って



「言ってる意味が分からない?」



「ッッ!!!」



1歩近付き、あたしの腕をまた掴み




「“あんなヤツ”に琉愛ちゃんは相応しくなんてないよ」




さっきまで笑顔だった橘の顔からは笑みは消え


真っ直ぐ、そして力強くあたしを見据える。






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