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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 その一心で沙絢は抵抗する。あまりに烈しい抵抗に光樹の拘束が一瞬緩んだその隙に、沙絢は彼の手を振りほどいた。泣きながら階段を降りようとしたその瞬間、脚をすべらせてしまった。
 沙綾の華奢な身体がまるで坂を転がる石のように勢いよく堕ちていった。
「沙絢っ」
 光樹の鋭い叫び声が響き渡った。

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