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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第5章 SideⅤ(光樹)~誤解~

SideⅤ(光樹)~誤解~

「待てよ!」
 光樹は声を限りに叫んだ。しかし、彼の大切な少女はその必死の叫びも振り切るように、駆けていってしまった。
 もうあの娘(こ)は二度と戻ってこないかもしれない。そう考えただけで、情けなくも絶望で眼の前が真っ白に染まりそうだ。
 沙絢には本当に可哀想なことをしてしまったと彼はいまだに十日前の出来事を烈しく悔いていた。

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