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それでも私はここにいる

第111章 ちょっとの距離

あんなに華々しく咲いた桜は
若葉をつけて
我先にと
日差しを浴びている
公園の池の畔は
花の宴が終わり
人々がゆっくり歩き
散歩をする
彼が歩く
すぐ後ろ
ちょっとの距離が
縮まらない
彼の手
彼のサラサラの髪
彼の後ろ姿
もう見慣れた
前はそれでも
嬉しかった
隣で歩きたい
欲張りだな…
桜の葉はキラキラと光り
ふと見上げる
葉と葉の隙間から
眩しい太陽が覗く
突然…
ドカッ≡3
彼が急に止まり鼻を打つ
すっと…
手を握られ
歩き出す
ドキッ…
ドキドキ…
隣で歩く
その姿
耳まで真っ赤になりながら
昼下がりの公園
貴方と歩るく
新しくみた彼の横顔
この景色は独り占め…
ずっと独り占めしてても良いよね?
更に欲張りになってきた…
どこかぎこちない
二人のすき間
若葉眩しい葉桜の
新緑の風が心地良い
私達のちょっとのすき間
縮めるのはこの日
そしてこれから

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