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それでも私はここにいる

第165章 代償

彼らの幸福は
私の上にある
私と言う犠牲の上
私と言う不幸の上
全てを私に擦り付け
私は責任と言う足枷を付け
堕ちて逝く
加速を増して
明るい光から
真っ暗な闇へ
堕ちて逝く
彼らは笑う
気付きもせず
ただ幸せそうに
明るい家庭を築く
不公平な
不公平な
なんて
不公平なのか
彼らの幸福な光の影に
幸福に届かない
私がいる
何不自由なく暮らす彼らがいる
地べたを這い回る私がいる

彼らに少しでも
感謝の気持ちがあるならば
私の涙に気付くだろうか
私の傷に気付くだろうか

彼らの幸福の下に私がいる
私と言う不幸の中
私と言う犠牲の中
私は笑う
狂気のなかで
自分の存在もわからずに
責任と言う足枷を付けて
這い回る
這い回る
ひたすらに
這い回る
狂気の果てに
もしも私に
幸福が存在するならば
人生の全てを忘れ
もぬけの殻に成り果てる
最期の幸福

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