
残業・メモ子
第40章 帰道
『…大島…さん…』
勇気を…出しての…告白のような気がした―――…
「…変わりたかった…
変われば…直るかもって…
思っていた…
表面を変えたって…中にある…基本的な俺は……枠を外れない…真面目なつまんない奴のままだったから…」
不安な顔は……また…空を見上げる…
「そんな時…
メモ帳を…拾ったんだ…」
『あ……』
メモ帳を落とした当時を思い出す…
慌てていた…自分の不注意で、落としたメモ帳…
私たちは…そこから始まった―――――…
「…メモ帳の中には…
俺の考えも及ばない…フィクションのような!リアル社員の情事の数々…」
「…枠をはみ出れば…こんなに…淫らで…官能的で…未知数の快感があるのかって!!!
興奮してしまったよ―――…」
私は……大島の言葉に…顔が赤くなる…
「――――――ありがとう。
黒沢…芽依子さん………」
ドッキン――――――…
大島は…不安そうな目のなかに…私を映し…
優しく微笑む……
