残業・メモ子
第59章 静隣
藤原は…少しの距離を保ち…
私の側にいてくれた―――…
その…微妙な距離が…もどかしかったが…
今の私には―――――…
心地好かった…
手を伸ばせば…触れられる距離…
でも…触れない…
大島の時とは違う……
切ない…ドキドキ…
『…ありがとう』
「何がだよ……」
藤原は……スマホを取り出して…
誰かと…連絡を取る―――…
「…昼休みだから…俺は行くけど……
芽依子は…ここで縮こまってろ…
大島王子が迎えに来るから」
…顔を上げると…
なんだか―――――凄く…
柔らかい…表情…に…見えた…
「…大島なら……おまえの気持ち……ちょっとは解るだろうから」
『…藤原…さん……』
そう言うと……会議から…出て行こうと…
ドアを開けた…
あ……待って―――――…
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