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またあの場所で

第2章 過去

「何なの?」

そう尋ねた私に、冷たい視線を向けながら、アイツは言ったんだ


『何でいつも笑ってんの?』

「は?別に笑ってないけど?」


心を見透かされたようで驚きを隠せない私の左手をアイツは持ち上げて言った

『こんなことして、何で笑ってられるのか聞いてんだけど?』


「何で…知ってるの…?」


『体育の時、一瞬だけ袖捲ったろ?あの時見えた…。』



あぁ、どうしてこの人にバレちゃったんだろう…
一番知られたくない人だったのに…



目から涙が溢れて
私はその場で泣き崩れてしまった

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