テキストサイズ

I'll protect you.

第15章 限界



それからチャイムが鳴り私達は教室に戻った


教室の扉を開けるとみんなが血相を変えて駆け寄ってきた


「「「大丈夫か!!?」」」


三人に首やら肩やら腕やらをブンブン揺らされながら


『大丈夫に決まってるでしょーが!!』


Vサインをしながらドヤ顔をかましてやると
三人は私の頭をグシャグシャになるくらいに撫でた


みんなと話すのは久しぶりな気がする…


やっぱり、ここが一番落ち着くなぁ…


するとシン君が小さな声で私に


「ユウがみらいのことを許せるなら

また1から友達になってもいいんじゃない?

今度はダメなところを言い合えるような

”本当の友達”にさ。」


シン君は私の隣に立ち、みらいちゃんを指さした


そこには、ポツンと一人で席に座っているみらいちゃん



…確かにみらいちゃんがしたことは酷いことだけど…

みらいちゃんの何度も謝っていた姿

あの姿には嘘はなかったと信じたい


だから…


『みらいちゃんもおいでよ!』


その言葉にみらいちゃんはこちらに勢い良く振り向いた


「みらいが遊びたいならな。

5人でだけど」

シン君の刺があるけど優しい気遣いにみらいちゃんの表情が緩んだ


『…いいの?』


不安そうなみらいちゃんに私は首を大きく縦に振った


コウキ君は苦笑いしていたけどすぐに

「ユウがいいなら…」

って言ってくれた


カナも可愛い笑顔をしながらも

「変な気起こしたら即追放するから♡」

と、小悪魔な微笑


…怖いっす

そんなカナにみんな恐怖を覚えた



ふと、みらいちゃんを見ると目に涙を浮かべながら優しい笑顔で笑っていた


…これでよかったんだ


心からそう思った


ストーリーメニュー

TOPTOPへ