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I'll protect you.

第37章 独占欲




『心くん、話があるの』



部活が終わり、部室を出ると目の前には楓



次々帰っていくメンバーにチラチラと見られながら、俺は楓の後を追って部室の裏へと向かった。




楓は俺に向き直ると頬を赤らめた




『心くんのことが、好きです』




「ごめん」




こーゆう時は、優しい言葉をかけちゃいけない。



それは、中学の時に痛いくらいわかったから



気持ちは嬉しいけど とか、



これからも友達で とか、



今まで通りに とか、



そんな言葉はただ相手を期待させるだけ



全部、残酷な言葉



俺は、ごめん とだけ言ってその場を立ち去ろうとした




その時





「面白いところ見ちゃったなー」






『……お兄ちゃん』







お兄ちゃん……?




どーゆうことだ







「日向は遊び人 だもんな?

だって、こんな場所歩いてたんだもんな?」





そう言って差し出してきたのは、こないだ呼び出されたカラオケへ向かって歩いている俺の姿






やられた





最初からあの場所を歩かせることだけが目的だったわけか。




でも、そんな噂




俺にはどーでもいいや





「バラすならバラせばいい。

俺は何もしてない」




自信を持って言えることだ。





俺はそれだけ言って、その場から駅へと向かおうと藤宮を横切ろうとした。




「あー。間違えた間違えた。

本当に見せたかったのはこっちだ」




そう言って、俺の顔スレスレに写真を後ろ向きにして差し出してきた藤宮




俺はその写真を見て言葉を失った



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