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I'll protect you.

第37章 独占欲




そして、俺は一週間学校を休んだ。



その間は同じ選抜に選ばれた神崎の実家に成り行きで泊めてもらいながら、



他県から来るメンバーには迷惑をかけれない選抜の練習だけは何とか出ることができた。



「お前、限界だろ」


「泊めてもらってる分、だいぶ調子が良くなってきてる。

大丈夫だ」


「藤宮はお前が憎いらしい。」




そりゃあ、1回恥かかせてますからね……



そう思われるのも無理はないな





「お前がいる限り、”お気に入り”を抱けないってさ。

藤宮はお前が邪魔で仕方ないらしいな」




そう言いながらベッドで本を読んでいる神崎は顔色一つ変えずに本をぺらぺらと捲っていく。



こいつの目はいつも、どこか淋しげで生きる希望がないような冷たい目



そんな神崎に最近、疑問があった




「……どうして、優を助けてくれるんだ?」



いつも、優の危機を知らせてくれる神崎



いつもいつも、優の為に陰ながら情報を集めてくれていた。




すると神崎はゆっくりと話始めた





「もう、犠牲を出したくない。

それだけだ」






”もう”




俺はこの言葉がずっと頭の中でグルグルとかけ巡った。





そうか……







神崎にも守りたい人がいたんだな







「神崎の守りたい人は今どうしてるんだ…?」






神崎は、読んでいた本を勢い良く綴じて、俺を鋭い目で見つめた。








「藤宮に無理やり犯され

俺への罪悪感でどこかへ消えたよ」






神崎の過去はあまりにも、残酷だった



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