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I'll protect you.

第38章 いつか、また……




電車を降りた私達は走ってシン君の家に向かった。



コウキ君がポケットから鍵ケースを出して急いで鍵を開けて中に入る。




『……!!』




1ヶ月前まであった家具が何もない。



殺風景で広くなった部屋



私が知っているシン君の部屋はそこにはなかった。




「もう行ったか…!!

空港行くぞ!!」



コウキ君はタクシーを拾って、
空港まで!急いで!と運転手さんに言った。




隣にいるコウキ君は誰かに電話をかけはじめた。




「もしもし、何時ので出発?」



コウキ君は腕時計で時間を確認した



「……ギリギリだな。

今そっち向かってるから、シンを引き止めといて

じゃ、また後で」




コウキ君は電話を切って、時計ばかり気にしている




『コウキ君、話がよくわからないんだけど…

シン君、学校は…?』




「……退学処分になった」




どうして?




なんでシン君が…?





「シンが人を殴ったのは1回だけじゃないだろ?

うちの学校、暴力事件2回起こしたら退学処分になるんだ」





『……また殴ったの?』




この1ヶ月の間に…?




「ユウの義兄の家の裏で人を殴っただろ?

シンはそれを自白したんだ。」




なんで言ったの……?




なんで自分から退学になるようなことしたの……?




シン君は何がしたいの……?









「それも全部、藤宮のことを警察に訴える為だよ」







『……え?』







私の心臓はうるさく鳴り響き、コウキ君の一つ一つの言葉に嫌な予感しかしなかった。








「シンはユウを守ったんだよ」




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