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I'll protect you.

第41章 卒業

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『卒業おめでと〜〜!!

カンパーイ!!』



『「「「かんぱーい!」」」』




私達が家に帰ると、お母さん達は出前やらケーキやらいろいろ買って私達を待ってくれていた。



『みんな、受かって良かった〜!!

お母さん柄にも無く心配しちゃったわ!!』


「本当によ…」


『カナちゃん!今なんて言った!?』


そう言ってお母さんはカナの頭を拳でグリグリと押した。



「痛い痛い痛い痛いッ!!」


『可愛げの無いこと言うからよ!!フンッ!!』



これが家族かぁ……



なんかいいな…



『ふふ…』



幸せだなぁ



でも、何か足りないよ。




『あら?ユウちゃんどうしたの?』


『んー…家族っていいなって思ったの』


『そうね。ユウちゃんが家族になってもう2年も経つのね……』



お母さんは、優しい眼差しでグラスに注いだお酒を見た。



『急に、カナちゃんとシンちゃんが来た時は驚いたなぁ……

「優に本当の家族の暖かさを教えてあげて下さい」

って……シンちゃんに頭を下げられた時…

この子はすごい決意をしてるってすぐにわかったわ』




……何回も聞いた話



それでも、こんなにも胸が熱くなる…



『高校生の柵に囚われず、あの子は立派に大切な人を守った。

シンちゃんは本当に強くて優しい子よ。

退学になった罰として、お父さんの仕事を手伝う事になって遠くに行ってしまったけれど、

シンちゃんは絶対に自分が決めたことを後悔してないわ。

……だってあの子

私になんて言ったと思う……?』





グラスから視線を私にズラしたお母さんは、カナによく似た可愛らしい笑顔を見せた。










『 ” 優が幸せなら、どこにいても俺は幸せです ”


あの子は私にそう言ったわ……


極上に痺れる笑顔でね』




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