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御猫倶楽部

第11章 2月2日

もうどれくらい歩いたのだろう
客のいない音楽団
まわり狂うメリーゴーランド
足を引きずり声枯らす
絶え間ない音のループたちが
感覚を奪っていく
出来損ないの曲が止まれば
砂時計が命刻む


条件満たす愛の先には
条件付きの幸せ
ふたり以上の恋を選んだ
ふたりには後悔の渦


ぼくと世界を繋ぐ唄よ
どうか君へ届きますように
枯れない愛で
きっと救い出してあげるから聴いて
君を傷つける全てのもの
ぼくは殺す覚悟が出来てんだ
消えない 消えない 痛みもほら
すぐになくなるように
歌うから


守れやしない約束がほら
ふたりを嘘つきにした
ああもっと
いたいことをしてりゃ
ぼくの痕 残ってたかな?
誓えやしない指切りがほら
ふたりを臆病にした
ああもっと
ひどいことをしてりゃ
ぼくの事 忘れなかった?


もう少しだけ
あと少しだけ
欲張りなぼくらは子供のまま
求め合って
傷つけ合った
微かな未来を信じないから
飲ませるって言ったね、針千本
僕は飲まないから、見る専門
だってそれより辛い気持ちをこれ以上ないくらい、感じてるもん。


さよならいつか、もういちどいつか、
また出会えるのならわらいあって
拙い 儚い 叶いはしない
夢物語を叫ぶ
君の幸せを願う程
肺を満たしてく愛の藻屑
募る 募る 想いはやがて
此処にただ降り注ぐ、砂となる。


だけど僕は唄を唄う
君の為唄を唄う
胸の奥に溶け残った
ふたりの嘘が、宝物なんだ。


すきのしるしのきすのはずだろう
ふたり重ねた、口約束。





SuG/口約束


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