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禁断兄妹

第8章 禁断兄妹2nd プロローグ


「萌ねー、大きくなったら柊お兄ちゃんと結婚するの」


可愛らしい盛りの萌の
無邪気な言葉

幼稚園児くらいまで
そんな嬉しいことを言ってくれていたね

それを聞くと父さんと母さんは
いつも楽しそうに笑ったけれど
優しくたしなめるように


「萌、兄妹は結婚できないんだよ」


必ず最後にはそう言った

そんな時
俺は心の中でいつも思ってた

できるさ

萌が大人になってもそう思ってくれるなら

結婚しよう

だって俺達
本当は

血が繋がっていないのだから


萌はまだ小さかったから
覚えてはいないけれど

俺の父親と
萌の母親は
お互い子連れで再婚したんだ

でもその事実は
まだ幼い萌には伏せられていたから

萌が俺との結婚を口にするたび
俺はいつも黙って
ただ笑っていたんだ

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