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禁断兄妹

第92章 禁兄 The Final~Love Never Dies~②


人が愛を知る為に生まれて来るのならば
俺はもう生まれ変わらないかも知れない

俺は愛を知ることができた
萌が教えてくれた

人として生きるのはこれが最後なら
この世に受けた生
命の限り生きて
萌を愛そう


「‥‥もう一回したい‥‥」


誓いの口づけを終えた俺は
萌の腰を抱き寄せ
囁いた。


「えっ」


素で驚いた顔がおかしくて
俺は笑った。

あんなにしたのに、と言いたいのかもしれないけれど
まだ足りない
空っぽになるまで
愛し合いたい


「甘えていいって言ったじゃないか。俺はとことん甘えるよ」


「ふふ‥‥」


「今度はこんな風にしたい」


「あっ、ん」


「そしてここを一緒に」


「ああっ」


甘い鳴き声
絡める指に光る揃いのリング

また幸せな眩暈に
落ちてゆく


「愛してるよ萌‥‥」


「私も愛してる、柊‥‥」


愛しい名を呼び合い
幸福な吐息を重ね

愛を謳う
高らかに

闇を震わせ
朝日を呼ぶ

目の前に広がる光る海原
ここが幸せの舳先

美しい島はもう探さない
二人共にいればそこが美しい愛の島
二人の愛の世界

病める時も健やかなる時も

死が二人を分かつとしても

この愛は

永遠



───禁断兄妹 END───

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