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禁断兄妹

第13章 ごめん萌


「じゃ、行きますかっ」


和虎が他のモデル仲間を振り返る。


「悪い、俺も帰るわ」


俺の声に
和虎がオーバーなリアクションでよろけた。


「は?帰る?今帰るっつった?ねえ」


「ごめんな。結構遅くなったから、やっぱり帰るわ」


「はー?!まだ九時前なんですけどっ」


確かに打ち合わせの前
和虎に誘われた時にOKしたのは事実だった。

久しぶりにみんなで飲むんだし
少し顔を出そうかと思った。

しかしこんなに打ち合わせが長引くとは思っていなかった。


「悪い‥‥どうしても帰りたいんだ」


耳打ちした俺を
和虎がじろりと睨む。


「‥‥萌ね」


俺は頭をかいた。

今日
萌は熱を出して学校を休んでいる。

別に俺が早く帰ったところで良くなる訳でもないから
飲みに行ってもいいかなと思ったんだけど

さっき届いた萌のメールに
最近俺があまり家にいないと
寂しそうな顔文字つきだったのが
ひっかかっていた。


「萌の奴、私に妬いてるのね!一緒に飲みに行かせないように‥‥」


「萌の前でお前の名前すら出したことないんだけど」


「‥‥」


「悪い、今度は絶対参加するから!」


俺はそう言いながら
もう走り出していた。

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