禁断兄妹
第33章 熱帯夜 ~ひとつになる夜~
口元に当てていた右手にお兄ちゃんの手が重なる。
無意識に強く握り締めていた手を優しく包まれて
指と指の間をゆっくりと広げられて
手のひらを合わせるように繋がれる。
絡めた指先にじんわりと力がこめられて
ただそれだけなのに
吐息が漏れる。
繋いだ手はお兄ちゃんに引かれ
口元から遠ざけられていく。
胸元へのもどかしい愛撫を続けられながら
同じように
シーツを握り締めてた左手にもお兄ちゃんの手が重なる。
指の間をゆっくりと広げられて
指をきゅっと絡められて
「ぁ‥‥」
開けていた口から声が出てしまって
慌てて閉じる。