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禁断兄妹

第38章 あなたを助けたい


その不穏な言葉に
掴んだ封筒を落としかける。

虚を突かれたまま上げた視線
灰谷さんの熱を帯びた視線と
ぶつかった。


「偶然だったんです‥‥巡回中、中庭の暗がりから、喧嘩をしているような男女の声が聞こえてきました。何事かと思って近づくと、痴情のもつれのような二人の口調は、やがて艶かしい吐息に変わり‥‥唖然としている私に、『萌』と男が呼び掛ける声が聞こえました‥‥」

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